西荻夫婦/やまだないと
恋人とのあり方をすごく考えさせられた作品。
ラストは曖昧でハッピーエンドともバッドエンドともつかず、ただただ切なくなりました。
愛の行き着く先はどこなのか?
そもそも愛とは何なのか?
現代の恋愛や結婚をリリカルに描いた秀作です。
この夫婦は恋人というなんとなくねっとりした甘みのある関係というよりは、日々を共有するのにお互いが適しているといった親友に近い。
それは一見とても厚い信頼で固められているかのように思えるのだが、男女においてははかなく脆いものだという側面を覗かされてドキッとする。
『子供』を排除した結婚生活をよしとする夫婦が激増した昨今にはまさにリアルタイムな作品だった。
しかし夫婦とは子供を生むためのツール、共同体だけではない。
だからといって、『子供』をはじめからお互いの意思を持って排除しようとする夫婦の在り方は、やがて崩壊へと向かわないだろうか。
それは結局引いては相手でさえ自分の都合のいい道連れにしか過ぎないからかもしれない。
物語
「わたしが、誰よりもわたしを選んで生きていることを彼にだけ許された気がして、その時以来もう何年もわたしは彼と一緒にいる。この先も彼しか許してくれないだろうと思う。/このうしろめたさ。/無駄な終末。」
結婚して7年、つきあって8年、西荻に暮らすみーちゃんとないとー先生。
ないとー先生は漫画家。
お互いに働いて、好きなことをして、一緒にいるときは一緒にいる。
親友とも兄妹ともいえそうな、親しいようで遠い関係。
夫婦の日常が淡々と描かれていく、その先に待つものとは・・・。